この記事をご覧になる方は、ご結婚し、幸せな家庭を築き始めている方でしょうか。
それとも、バリバリ仕事に励み、責任が増えると共に面白さも実感している方でしょうか。
あるいは両方?
どちらの方にもオススメしたいのが、マンガと見せかけてほぼ実用書『妻が口をきいてくれません』。
テレビ番組「世界一受けたい授業」でも紹介されたことがあるので、ご存じの方も多いかもしれませんね。
夫婦のすれ違いを描いたマンガなのですが、夫婦だけではなく、男女・人間関係においても役に立つ内容です。
「よみタイ」で連載されていたのを見かけたのがきっかけだったのですが、独身だから関係ないか~と食わず嫌いしないで本当に良かった。
人生にかなり使えます!
双方の視点で描かれる「口をきいてくれません」の辛さ、そこに辿り着く経緯
このマンガは、
1:夫の章(夫視点での、妻が口をきいてくれなくなってからの出来事)
2:妻の章(妻視点での、そうなるまで&それ以降の出来事)
3:夫妻の章(両方の視点からの今後)
と、話の視点が変わります。
この構成のおかげで、どちらの気持ちも非常によくわかる。
夫の章では、理由もなく(と本人は思っている)妻に無視される夫はなかなかに哀れ。
どうすればいいかわからない苛立ちや、「無視」によるダメージがどれだけ辛いかが伝わってきます。
しかし、妻の章になり、無視に至るまでの過程が明かされると、大抵の読者、特に女性陣はこう思うのではないでしょうか。
「気の毒だけれど、自業自得じゃん……。」
見る人が変われば事情も変わる。
トラブルにおいて、片方の言い分だけを鵜呑みにしてはいけないと、心に刻みたくなるお話です。
「あるある」が止まらない。
共感度100%のリアリティ。
この作品は、一言で言うなら「リアル」です。
特に、作中の2人が仮面夫婦となる前の段階、「夫婦あるある」の描写がリアル。
そして、些細なことの積み重ねで心が離れていく様も、たいっへんにリアルです。
例として第1話目。
食卓にはカレーが出されましたが、スプーンが出ていません。
夫「ねえママ、スプーンがないよ。これ手で食べるタイプ?」
夫としては『妻の仕事の不備を柔らかく注意してあげた』つもりなのでしょう。
しかし、その裏には「スプーンは妻が用意するもの」という認識が潜んでいます。
男女平等、共働きが当たり前の時代ですが、幼少期に刻み込まれた価値観は消えていない。
無意識に「家事=女の仕事」「やってもらって当たり前」と思っているわけです。
筆者は独身ですが、読んでいて「あー、いるよこういう男性……」の連続でした。
あるいは父親や男兄弟と照らし合わせたり。
とりあえず上記場面では「上から目線で注意される謂れもないし、自分で取りに行け!」と、心の中で思いっきり叫びました(笑)
妻の章には、こういった身近な「女性側がイラッとする瞬間」が満載です。
そして、夫の章においては、それらに全く気が付いていない旦那の姿が描かれます。
妻が怒っているのはわかるけれど、その真の原因には気づいていない。
溝ってこうやって広がっていくんだな……と理解すると共に、男女の価値観はここまでかけ離れているのかと実感します。
まとめ
この本で最も学べるのは、トラブルは「お互いに」原因があるということ。
筆者は女性故にか、妻に大いに共感し、夫に対して怒り心頭(苦笑)
しかし、それでも夫「だけ」が悪いのではないとはわかります。
どちらが正しいかはさておき、何か傷つくことがあるのなら、相手にそれを伝え、理解してもらうことが必要。
構成上、夫を悪し様に書いてしまいましたが、彼には悪気は決してありません。
価値観の違いゆえに、妻が何に傷ついているのか気づけないだけなのです。
2人はどうしたらよかったのか?
浮かんだ策は、きっと現実にも適用できるでしょう。
岡目八目、トラブルの対応策は第三者の方が見えやすいものです。
現実でもありえそうな事態を、マンガを通して客観視できる、これが最大の強み。
未婚既婚問わず、このマンガはもはや「実用書」。
夫婦間・男女間、あるいは人間関係全般に悩んでいる方は、一度お手に取ってみてはいかがでしょうか?